日本眼科国際医療協力会議(JICO)理事長 藤島 浩

皆さまへのご挨拶

世界には貧困や医療システムの不備により、国民が充分な眼科医療や診察を受けられない国が数多く存在しております。
日本眼科国際協力会議(JICO)は、このような国々で、視力を失っている方々に、適切な診療、治療、手術を提供することにより、一人でも多くの方々に視力を回復していただきたいと考えております。

2009年に発足し、各国で活動をしている9つの日本の眼科団体を支援するため、鋭意活動を行っています。
その手始めとして、日本眼科医療機器協会の協力のもとに、ホームページ上に中古の医療機器情報を掲載し、各団体からの要望にマッチした医療機器を現場に供給するシステムが始まりました。
その中には中古品に係らず新品を提供頂く場合もあり、国際協力にご理解がある会社や医療法人も増えてくました。
また、海外からの眼科医療研修生の受け入れ、およびその国内での実習援助を開始しています。
現在もベトナムからの未熟児網膜症の管理、治療を目的に国内留学を希望している医師の引き受け準備をしているところです。
そして一番の成果はお互いの情報交換の場として活用され、さらに興味のある方の新規参入が行われていることです。
その結果例えば我々のFight For Vision (FFV)も今年1月に服部先生らのAsia Prevention of Blindness Association (APBA)と協力してベトナムで医療援助活動を行ってきました。
また、臨床眼科学会などでのインスラクションコースで、医師のみならず看護士、医療機器関係者など、様々な方の医療援助に関する発表を行って、国際協力の今後の課題や抱負が明らかになってきています。
2011年のAsia Pacific Academy of Ophthalmology (APAO)にて海外医療協力による失明予防のセッションが開かれ、小生がJICOの活動について報告してきます。
こういった学会での活動を介して、世界の援助団体と連絡が取れて、より活発な海外援助活動が出来ることを期待しています。

国際医療援助を行うにあたり3つの問題があります。1つは資金であり、2つ目は人的パワーであり、3つ目は時間的な問題です。
資金はご理解いただける方の協力が不可欠であり、人的パワーには熱意と新しい力が必要です。
そして時間的な問題としては、こういった行為への国内での協力が無いとなしえません。

以上の内容を基に、実践的な活動について研究し、その研究成果を効果的な運用等に役立てることも目的としています。
その為には、皆様の温かい援助と、開発途上国で目が見えなくて苦しんでいる人への思いやりを期待しております。

どうぞ、今後ともJICOを宜しくお願いします。